中国・警海法を考える

コロナのニュースに紛れて目立ちませんが、見過ごせない事態が発生しています。

中国は、海警局(日本の海上保安庁にあたる)が武器使用を可能とする海警法を施行しました。

中国国防省は「(尖閣諸島は)中国固有の領土だ。中国公船は自国領海で法執行活動を行っている」と述べ、領海侵犯を正当化。

この理屈に沿えば、尖閣諸島周辺で取り締まりを行う海上保安庁に対しても、武器使用が可能になります。恐ろしい話です。

一方、日本側にも懸念すべき動きが出ています。政府は海上保安庁が領海に侵入した船舶に対し、「危害射撃」が可能との見解を示しました。

従来と立場は変わらないといいますが、「危害射撃」の要件は、あくまで正当防衛です。相手が撃ってこなくても、領海侵犯だけで武器使用の要件を満たすのか。

尖閣諸島を一方的に自国領域とみなし、武器使用まで可能にする中国の態度に何の道理もありません。

沿岸各国に認められた権限を厳密に規定した国連海洋法条約など、国際法に明確に違反します。

日本政府は、国際社会で堂々とそう主張すべきでしょう。

ところが政府は当初、「国際法違反」と断定することさえ渋っていました。弱腰外交を改めないまま、海保の権限だけを強めればどうなるか。

海警局と海保の背後には、それぞれ中国軍と自衛隊が控えており、何かあれば一気にエスカレートする危険があります。

軍事対軍事の悪循環だけは避けなければなりません。

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武田 哲幸

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